夢の続きで逢えたら
電車を降りた帰り道、
僕らはわざと遠回りをして、夕焼けに染まる土手沿いを歩いた。
「そうだ!」
突然何かを思い出したように、一番後ろを歩いていた詩野が言った。
僕ら三人が同時に振り返る。
「これ、ありがとう。役に立った」
詩野は目の前に僕らの想いが詰まったお守りをぶら下げた。
僕らは笑う詩野に、何も言わずに笑い返し、また歩き出した。
「でも…」
小さな声でそう囁く詩野に、僕らがもう一度振り返る。
「これは古くない!?」
詩野はお守りの裏に手書きで書かれた『ガンバ!』という文字を指差しながら、苦笑いをした。
「だろ!?だから言ったんだよ俺は!昭和だって!」
「いいじゃん、俺ら昭和生まれなんだし」
「ハハ!そうね、大輔の言う通り」
「そっか…そうだよな」
俯く浩二の肩に僕は手を回し、
「ドンマイ!」
そう言ってポンポンと肩を二回叩いた。
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