夢の続きで逢えたら

心の糸


後日、一次審査通過者は、全国で約四千人ということがわかった。


早くも五分の一に絞られたわけだ。

本当の勝負はここからで、

二次で二百人、三次で十人に絞られる予定だ。



つまり、最終審査に残れるのはわずか十人であり、

そこで頂点に立てるのは当たり前だが、一人だけである。




「あぁ、なんか心配」

弾いていたギターを止め、溜息交じりに詩野が言った。


「何が?」

「二次」

「二次?」

「うん」

「どうして?」

「だって、三次に行けるのはたったの二百よ?」

「だから?」

「だからって…」

「大丈夫だよ。ホラ」

そう言って僕はアゴで、詩野のギターケースにぶら下がったお守りを示した。


「フフ。そうね」

「うん」





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