夢の続きで逢えたら
弾いていたギターをまた詩野が止めた。
「そう言えば、大輔と浩二くんは?」
「あぁ、大輔は大学の友達と飲んでる。浩二は…なんだろ?女かな?ハハ」
「もう、ホントに応援してくれてるのかしら」
頬を膨らませ、しかめっ面をする詩野の表情に、
つい見とれてしまい、時が止まった。
目が合う。
「なに?」
「あっ、ご、ごめん。つい見とれちゃって…」
「え?」
詩野が顔を赤くして下を向く。
「あー、そうじゃなくて、ごめん!とりあえずあいつらなら心配ないからさ」
「そ、そっか」
恥ずかしさを隠すようにそう言うと、
またギターを奏で始めた。
僕ら二人しかいない公園の外灯が、
スポットライトとなって詩野を照らす。
僕が描く詩野の未来がそこにはあった。
そして、眩しいほどに輝くそのステージに、
僕は思わず笑みをこぼした。
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