夢の続きで逢えたら
「大丈夫。今は神経が少し乱れてるだけだろう。安静にしてれば耳に直接影響はないはずだから」
「…先生は、私のこと応援してくれてますか?」
「…?勿論だよ」
「だったら行かせて下さい」
「………」
「みんなも応援してくれてるんです!」
「その仲間には、このことを?」
「倒れたことは言ってないです。みんな心配して変に気をつかうだけだから…」
「でもダメだ。最終に行かなくたって、夢は逃げたりしないよ」
「でも自分から逃げたら、それは同じことです!」
「とにかく、明日の朝もう一度ここに来なさ…」
「夢なんです!私の歌で人を幸せにすることが…。みんなが待ってるので。失礼します」
バタン――
「まったく……」
―――――
――…
「もう七時だぞ!?さすがにまずいんじゃないか?」
「ちょっと詩野の家まで行って見てくる」
そう大輔が立ち上がると、遠くの方から足音が聞こえてきた。
「ごめんみんな!」
「やれやれ、やっと登場ですよ。主役が」
僕と浩二も立ち上がり、
走る詩野の元へと歩き出した。
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