夢の続きで逢えたら
「ごめん遅れちゃって」
「何してたの詩野ちゃん?みんな心配したんだぜ?」
「ちょっとバイト長引いちゃって」
「だってよ一軌」
「そ、そっか」
「なんだよ一軌。さっきから変だぞ?」
「詩野。本当にバイトなの?」
「そうよ?」
「そっか。ならいいんだ」
噴き上がる噴水が僕の心を掻き乱す。
「遅くなっちゃったけど、始めましょ」
そう言ってギターを取り出す詩野の前に、
僕ら三人は横一列に並んで、拍手をした。
「今日は誰もいないみたいね」
「詩野が中々来なかったから、みんな今日はないと思って帰っちゃったんだ」
「そっか。残念。でも自業自得ね」
詩野は一度視線を地面に落とし、
それからゆっくりとギターを奏で始めた。
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