夢の続きで逢えたら
第七章
想いの先に
……翌日。
十二月二十四日。
オーディション最終日。
僕は病院のベッドで目を覚ました。
外は窓を閉めていても、雨音が聞こえる程の大雨だった。
あのあと…
おそらく浩二や大輔が救急車を呼んでくれたのだろう。
本当に情けない。
僕は結局、
詩野を守ってやることができなかった。
自分の弱さと、詩野の気持ちを想うと、
涙が出そうになったが、僕はシーツを強く握り、
下唇を噛み締めた。
しばらくすると、
誰かが病室へ入ってきた。
涙をこらえる顔を見られたくないと思い、
反射的に背を向ける。
「ちょっと大丈夫?病院に運ばれたって聞いて、びっくりしたわ」
聞き慣れた声に、
僕はホッと胸を撫でおろした。
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