夢の続きで逢えたら
息を切らしながら、
重い足を必死に動かした。
時々頭がクラクラしたが、それでも僕は走り続けた。
止まることなく走り続けた。
“詩野に逢いたい”
その想いだけを力に変えて。
公園に着き、真っ先に噴水へと向かった。
変わることのない景色。
でも、聞こえてくるのは噴水から噴き上がる水の音だけだった。
「詩野…」
僕は道端に倒れ込んだ。
次から次へと流れ星が夜の都会に降り注ぐ。
クリスマスを過ごすカップルには最高の瞬間だろう。
「ちくしょう。こんな時に…」
舌打ちをする余裕もなく、僕は乱れた息を整えようと、深呼吸をした。
携帯の着信が鳴ったのはその時だった。
僕は急いで立ち上がり、画面に表示される名前を確認した。
大輔からだ。
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