夢の続きで逢えたら
「もしもし」
「………」
「大輔…?」
「ごめんな一軌。電話出れなくて…。体調は?」
「もう平気だよ。それより……」
僕は何から聞いていいのかわからず、言葉に詰まった。
聞きたいことは山ほどあるはずなのに。
どうして?
脳が『何も聞くな』って命令してる。
「一軌、今どこだ?」
「…公園だけど」
「やっぱり…。今浩二がそっち向かってるからもう少し待っててくれ」
「え…うん。でもなんで?大輔は?詩野は?」
「俺と詩野は行けない。いいから待っててくれ。頼む…」
電話越しに大輔の真剣さが伝わってきた。
だから僕は『わかった』と、一言だけ言い残し電話を切った。
みんなに何が起きたっていうんだ。
どうして二人は来れない?
頭を抱え、僕はその場に座り込んだ。
心臓の音が聞こえる。
全身に不吉な予感が駆け巡った。
噴水がピタリと止まる。
そして、静寂に包まれる暗闇の中、僕は浩二が来るのをひたすら待ち続けた。
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