夢の続きで逢えたら
浩二がここに来るまで、
時間はどれくらい進んだのだろう。
僕は、詩野のこと、浩二と大輔のこと、オーディションのこと、
そして…これからのこと、一度に幾つも考え過ぎて、時間の経過を忘れていた。
浩二はそんな抜け殻のような僕の頭をつつき、
噴水の方向を指差した。
「あっ、浩二…。来てたんだ」
噴水を囲む石段に腰掛ける。
沈黙が一分、二分、悪戯に時を刻んだ。
これから浩二が何を話すのか…
僕らの間に流れる張り詰めた空気が、その全てを語っている気がした。
そして……
浩二が静かに口を開く。
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