夢の続きで逢えたら
輝く未来へ
翌朝。東京は記録的な寒気に見舞われた。
十二月だと言うのに、雪が降りそうなくらいだ。
窓の隙間から、冷たい空気が入り込み、カーテンが微かに揺れる。
「どうりで…」
僕は乱暴に窓を閉め、鍵を掛けると、
テレビの電源をつけた。
またか…
昨日の夜から何度も観た映像だ。
オーディションの優勝者が決まった瞬間と、そのインタビュー。
本当は詩野がここに映るはずだった…
そう信じてた…
僕はすぐに電源を切り、ベッドに横になった。
目の前に広がる真っ白な天井に、輝く未来を描いても、
それは瞬く間に色褪せ、最後には消えてゆく。
瞼の裏に映るのは、黒く、闇に包まれた未来。
そんな風にマイナスなことばかり浮かんでしまい、
結局、昨日は眠れない夜を過ごした。
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