夢の続きで逢えたら

自分に無いものを他人が持ってると、

そこだけやけに輝いて見えたり、場合によっては憎たらしく見えるものだ。



つまり…人は誰でも、

常に相手を意識し、自分と比較している。



相手を見ているようで、本当は自分を見てる。



そして、そこに少しのズレが生じれば、

対立を生み、

時に強い憧憬を抱き、

時に自分自身を見失う。



昨日の僕は、まさにそれだった。




彼女の夢に向かって一生懸命に生きる姿がなんだか羨ましく、

それは僕が、

夢や目標を持たない人間だからであった。



生まれてこれまで、

幾度となく夢や目標を問われてきた。



幼稚園の時は、将来の夢を絵に描かされ、

小学校の文集は「十年後の自分」がテーマだった。


中学に入れば「将来を見据えた上で進路を選びなさい」と毎回のように言われた。



その度に僕は、

どこか曖昧な返事を残し、

その場からも自分からも逃げていた。





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