夢の続きで逢えたら
「ずっと…こうしたかった」
僕の胸に顔をうずめる詩野の鼓動が、全身に伝わってくる。
「ねぇ…一軌」
「なに?」
「夢の中でね、私の一番好きな歌詞があったの…覚えてる?」
真冬の夜空に流れ星がひとつ。
…あの時、未来へと願いを乗せた流れ星が、
夢を飛び越え、今僕らに降り注いだ。
「さぁ…なんだっけ?忘れちゃったな」
僕はそう言って微笑んだ。
「…ひどい」
詩野が僕を見つめ、少し鼻を啜りながら笑い返す。
僕らの想いが今ひとつとなり、十二月の夜空に綺麗な花が咲いた。
詩野…
おめでとう…夢叶ったね……
僕はそのままニコッと笑い、
もう一度強く抱きしめ、星空を見上げた。
満月の綺麗な夜だった。
《完》