夢の続きで逢えたら
アロマ缶
帰ってすぐに、
僕は浩二に電話をかけた。
「もしもし」
「おぉ、一軌か。どうした?」
「就職決まったみたいだね。母さんに聞いたよ」
「まぁ一応ね」
「おめでとう。それじゃ」
「え?久しぶりにかけてきたと思ったらそれだけ?」
電話越しに、鼻で笑う感じの浩二が目に浮かぶ。
「まずかったかな」
「いや、まずくは…」
「…そうだ!」
気まずくなりかけた空気を浩二が遮った。
「なに?」
「日曜日ひま?買いたい物あるから付き合ってくれよ」
「まぁ、特に予定はないけど」
「じゃあ決まりだな!場所は――」
―「ということで!じゃな!」
「ちょっ!……」
浩二の一方的に電話を切る癖は未だに直っていなかった。
それでも久しぶりに会話ができたことが、
少し嬉しかった。
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