夢の続きで逢えたら

魚の生臭いにおいが充満した地下通路のような狭い路地に、

店主たちの低くドスの効いた声が響く。


そしてそこを抜けると、洒落たカフェが通りいっぱいに広がる。



上野のアメ横から青山のキャットストリートに瞬間移動したようで、

妙に心が踊った。




噂には聞いていたが、

東京のあらゆる街の特徴を少しずつ削り取って、

それを凝縮させたようで、

それでいて落ち着いた雰囲気。



そんな街並みが僕は好きだった。




北口のすぐ傍にある踏切を越えて、

二つ目の十字路を右に曲がった所に、

小さな雑貨屋があった。



浩二は何も言わず、足早にそこへ入っていった。




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