夢の続きで逢えたら

店内をウロウロしていると、

後ろから浩二が言った。

「おい一軌。知ってるか?」

「何を?」

「アロマテラピー」

「あぁ知ってるよ。芳香剤使った精神的な治療法だよね」

「見ろよコレ」


そう言うと浩二は、鼻の下を伸ばしながら、

僕にそれを差し出した。


「浩二は馬鹿だな。こんなのが効果あるはずないよ」

「いや、この前バラエティー番組で実験してた。効果は証明されてるんだ」


普通アロマと言えば、

病人や、疲れを癒す人のための物だが、



まったく…


本気なんだろうか。



浩二はその『恋』と大きく書かれたアロマ缶を大事そうに抱えながら、

別のアロマ缶を手に取った。


そして、その二つのアロマ缶を目の前に並べ、

得意げに続けた。





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