夢の続きで逢えたら
尾行
やっぱりもっと詩野を知ってからじゃないと、渡せない。
明日学校帰りに公園に寄ってみよう。
はやる気持ちを抑え、はにかみながら僕は布団の中に入った。
――翌朝、
眠い目を擦りながら駅へ向かった。
まだ八時だというのに、
改札は相変わらず人の波がすごい。
右端の列に並ぶ。
なかなか進まない列に、多少イライラしながらも自分の順番を待つ。
“ピンポーン”
鳴り響く機械音。
あと五人というところで、僕のいた列だけが止まった。
「誰だよ。迷惑な奴だな。切符ぐらい確認しろよ」
朝から他人に迷惑をかけてるのがどんな奴なのか、
僕は隣りの改札に移り、通るスキに視線を横にやった。
するとそこには、後ろの人達に気まずそうに頭をペコペコさせて謝る詩野の姿があった。
僕は詩野がこの駅を利用していることを、
この時初めて知った。
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