夢の続きで逢えたら
詩野をもっと知るための一番の近道は、
本人と会話をすること。
でも、一度だけ、
しかもほんの少ししか話してない僕のことなんか覚えてるだろうか。
いや、顔くらいなら…。
第一、何を話せばいいのか。
音楽のこと?地元のこと?
音楽は詳しくないし、彼女の地元がこことも限らない。
それに、いきなり話しかけたら驚くだろうし。
でも、だからと言って…
頭の中で色々とシミュレーションしていると、
詩野が目の前を通り過ぎた。
僕には気付いていないようだ。
とりあえずバレない程度の距離を保ちながら、
詩野のあとを追った。
これってストーカー?
いや、詩野を知るためだ。
だからそれをストーカーって言うんじゃ…
細かいことを気にしてもしょうがない。
とにかくバレなければストーカー扱いはされないんだから。
こうして僕の『詩野尾行作戦』が始まった。
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