夢の続きで逢えたら

詩野は、何かをノートに書いているようだが、

ここからじゃ全くわからない。



電車での教訓を生かしきれてないな。


でも、バレるのはもっとまずい。



でも気になる。


考えた末に思いついた作戦は、

トイレに行くフリをしてさりげなくノートを覗く、

というなんとも幼稚なものだった。


幸い客もそれほど多くない。




そして、早速実行するも、文字が書いてあるくらいしか確認できず、

結局、五分おきに僕はトイレに行くフリをしてはノートを覗いた。







完全に不審者だ。




それでも何度か繰り返すうちに、一つの結論に辿り着く。





詩野は歌詞を書いていた。


どんなメロディーに当てはめるのか、今書いてる歌を聴ける日が待ち遠しい。




そういえば、今頃になって気付いたが、

詩野はギターを持っていない。


今日はあの公園には来ないのだろうか。




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