夢の続きで逢えたら
状況がまったく理解できず、
頭の中が混乱した。
さっきまで詩野が座っていた席を見たが、誰もいない。
じゃあ、今僕の目の前にいるのはやっぱり本物。
そういうことだ。
何がなんだかわからなくなっている僕の口から、
次に飛び出した言葉は、意味不明なものだった。
「い、いつからここですか?」
詩野はまたクスッと笑った。
「あ…ごめん」
僕は掌に滲み出る汗をズボンの脇で拭きながら、
知らぬ間に肺の中にいっぱいに溜まった息を勢いよく吐き出した。
「ごめん。いつからここに?」
「九時くらいかな」
「あっ、いや、ごめん。そうじゃなくて」
首を傾ける詩野が、
目を大きく開けて、不思議そうに僕を見た。
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