夢の続きで逢えたら
「ごめん。さっき、僕のこと呼んでたでしょ?」
「うん」
「どうして?」
眉間にしわを寄せ、頬を軽く膨らませながら詩野が言う。
「どうしてって、聞きたいのはこっちよ。あなた私を尾行してたでしょ!」
言葉に詰まった。
やっぱりトイレ作戦がいけなかったに違いない。
…いやいや、今はそんなこと問題じゃない。
僕が寝ている間に、
もしかしたら詩野はすでに警察に連絡して、ここで警察が来るのを待ってるんじゃ。
僕が逃げないように監視してるんじゃ…。
僕はストーカー容疑で捕まるのか?
いや、むしろ現行犯だ。
どうしよう。
こういう時は、反省の色を前面に押し出して、
とにかく謝るしかない。
僕は立ち上がり、頭を深々と下げ、
大きな声で謝った。
「ごめんなさい!!」
詩野はまたクスッと笑った。
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