夢の続きで逢えたら
第三章
苛立ち
詩野についてわかったこと。
優しくて、笑顔がかわいい。
同い年で、歌の話をすると喜ぶ。
でもちょっと変な子。
そのくらいか。
あまり顔は直視できなかった。
僕は部屋のベッドに仰向けになり、
そんなことを考えていた。
明日公園に行ってみよう。
次の日、僕は三日ぶりに大学に行った。
「よっ!社長!久しぶりに来たと思ったらこんな時間ですか!?」
大輔が、身につけていた時計を目の前に突き付け、
いつものように、半ばからかいながら僕に言った。
「ちょっと色々あって」
「そっか」
大輔は高校からの同級生で、
苦しい浪人時代を共にし、結局大学も同じになった大切な友達だ。
この時初めて、大輔が人の話に大した興味を示さない奴で良かったと思った。
僕らは喫煙所の椅子に腰掛けた。
澄んだ青空。
何を話すわけでもなく、吐き出す煙に、ゆっくりと漂う雲を重ね、
昼休みのゆったりとした時間を味わった。
そんな束の間の休息を邪魔するかのように、
僕の携帯が鳴った。
浩二からだ。
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