夢の続きで逢えたら
僕がこれまでのことを、
頭の中で整理しようとした時、既に大輔の姿はなかった。
「大輔にも話したの?」
「へへ。まぁな」
浩二は人差し指で鼻を擦りながら笑った。
その顔は、
まるで映画で主人公を騙す悪役そのものだった。
「まったく。浩二は失敗したんだろ?」
「だったら?」
「だったらって…」
「大輔はどうなるかわからないぜ」
「確かにそうだけど…でも、大輔には成功したみたいに言ったんだろ?」
「その方が面白いじゃんよ」
「まぁ、わからなくはないけど…」
本当は買って、
しかも既にそれを渡したことを黙ってる方がよっぽど悪役か…
「いいから、いいから。とにかく俺たちも入ろうぜ」
そう言って浩二は僕の肩を掴み、
雑貨屋へ誘導した。
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