夢の続きで逢えたら
「浩二!浩二!お前が言ってたのってこれか!?」
僕らが店に入るなり、遠くから大輔が叫んだ。
僕は二人から離れ、
一人で、別の商品を眺めていた。
遠くから大輔の甲高い笑い声が聞こえる。
かわいそうに。騙されてるとも知らず。
でも、結局僕も使ったわけだし、
それはある意味騙されてるということか。
しばらくしても、
二人の勢いが衰えることはなかった。
「なるほどな!じゃあこれを渡すだけでもいいんだな!?」
今だに気持ちの高ぶっている大輔の声が聞こえてくる。
「そう、これでお前にもハーレムな時代がやってくるぜ!」
二人は嬉しそうにハイタッチを交わした。
こんな生真面目な僕が、
いつまでもあの二人と仲良くしていられるのは、
楽観的というかなんというか、いつも同じテンションでいられる、
そういう僕にはないものを二人が持っているから。
それぞれが欠けた部分を補うパズルみたいなもんだ。
埃っぽい硝子の器に、無造作に入れられた誕生石を手に取りながら、
そんなことを思った。
.