夢の続きで逢えたら

僕の生まれた十二月の誕生石である、

ターコイズを掌に乗せた。


トルコ石とも呼ばれ、古くから尊ばれてきた、

空青色で、不透明なこの宝石を照明にかざす。





「誕生日十二月なんだね」



僕の死角から伸びてきた白く細い手が、

ターコイズを掴んだ。




手の主を見る。





「え?」


「久しぶり」




そこには、綺麗なワンピースを身にまとった、

いつもとは違う雰囲気の詩野がいた。




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