夢の続きで逢えたら
「詩野?」
「何よその顔?そんなにこのワンピースが似合わない?私だって出掛ける時くらいお洒落するわ」
「いや、そうじゃなくて…。そんなことより」
僕の言いたいことくらいわかってる、
といった表情で詩野が答える。
「私、下北沢にはよく来るの。それで、さっきあなたがこの店に入って行くのが見えたから」
「そ、そうなんだ」
「うん。もう一人友達がいたみたいだけど?」
「あぁ、それならあそこに。二人いるけど」
僕はアロマ缶の前で騒ぐ二人を指差した。
「あれ?」
詩野が何かを疑うような目で二人を見る。
「大輔?」
その声を聞いた大輔が、こちらへ歩いてくる。
「詩野?あれ?詩野じゃん!」
「やっぱり!相変わらず何も変わらないのね」
「お前もな!」
そう言って、二人はお互いを懐かしむように笑い始めた。
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