夢の続きで逢えたら
「ち、違うよ浩二くん。あれは各務くん特有のギャグというか。その…お詫びだよ」
「お詫び?」
「あっ…いや、なんでもない。とにかくあれは、私が欲しいってお願いしてもらった物なの」
「ふ〜ん、別になんでもいいけど。ま、一軌には気をつけた方がいいよ」
そう言って浩二は、
ニヤニヤしながらまた見下すように僕を見た。
それよりも気になったのが、
詩野はどこまで僕の気持ちをわかっているのかということ。
夢を応援していく立場としては、ほとんど気付かれていない方がいいのだけれど、
鈍感すぎるのもちょっと。
やっぱり多少なりとも、
気付いておいて欲しい部分はある。
そんな複雑な心境と、
浩二たちにアロマ缶のことがバレたという絶望感が、
頭の中でぐちゃぐちゃに混ざった。
僕はとにかくお酒を飲んだ。
あまり強い方ではないけど、アルコールさえ入れれば、
この心のわだかまりも、キレイに洗い流してくれる。
そんな気がした。
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