夢の続きで逢えたら
第四章
訪れ
―――薄暗い部屋に、
カーテンの隙間から陽の光が差し込む。
訪れる季節を喜ぶかのように、
壁を突き破って聞こえてくる蝉の鳴き声。
はぁ…またエアコンをつけっぱなしにして寝てしまった。
僕はスイッチを切って、
勢いよく窓を開けた。
カンカンに照りつける真夏の太陽が、
僕の眠気を一瞬にして奪っていく。
窓から外を見下ろすと、
虫カゴと虫アミを持った子供たちが、河原の方へ走っていく。
まだ朝の八時だと言うのに、元気だな。
「一軌!起きてる!?ご飯できたわよ!」
下から僕の部屋に向かって母さんが叫んだ。
母さんの方が元気かもな。
「今行くよ!」
僕はさっさと着替えを済ませ、一階のリビングへと降りた。
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