夢の続きで逢えたら

外で軽いクラクションが二回鳴る。


浩二が車でうちに到着した時の合図は、

決まっていつもこれだ。


玄関を開けた瞬間、

車の排気ガスとアスファルトから湧き出る熱気が、

僕を襲った。


「あっついなぁ今日」


助手席の窓が開く。



「おぉ一軌、荷物は後ろな」

「あぁ」



外から車の中は見えなかったが、

大輔が助手席に乗ってるということは、詩野は後部座席に乗ってるということになる。



浩二たちが僕に気を使ってくれたのだろうか。




とにかく、僕は今日これから起こる楽しい出来事を想像しながら、

荷物でいっぱいになったトランクを開けた。





あれ?



そこには見慣れた詩野のギターケースが置いてあった。




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