夢の続きで逢えたら
「まぁまぁ二人とも、これから楽しいことが待ってるわけだし、仲良くいきましょうよ」
「ハハ。気にしないでいいよ詩野ちゃん。こいつらいつものことだから」
「そう?」
「うん。この前も焼肉屋でどっちの肉かで一時間討論してたくらいだぜ?」
「ハハハ!なにそれ、ばっかみたい!ハハハ!」
「おい、笑うなよ!こっちは真剣だったんだぞ!なぁ一軌!?」
「ホントだよ!焼いてた肉を取られるほど屈辱的なことはないよ」
詩野は、僕らの言葉なんてまるで聞こえていない様子で、
しばらく大声を出して笑っていた。
大輔は相変わらずムッとしていた。
でも、目的地に着く前のこの独特な雰囲気。
車の中での、
これから起こる数々の出来事の前座のような、
そんなたわいのない会話が、なんだか楽しかった。
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