夢の続きで逢えたら
二時間ほど車を走らせると、
目的の海が見えてきた。
海に来るのなんて何年振りだろう。
僕は車から身を乗り出して、壮大な景色を眺めた。
太陽の光をいっぱいに反射して、白く輝く水面。
首都圏特有の黒っぽい砂浜に、
寄せては返す波の音。
僕は、その遥か彼方に広がる水平線を見つめ、
これから起こる、遠い未来を想った。
「一軌!危ないから中入ってろ!」
外の風を浴びていた僕の耳に、車の中から微かに聞こえる浩二の声。
よく聞こえないが、危ないってことだろう。
僕は中に戻り、窓を閉めた。
「慌てるな一軌!もうすぐ着くから」
そう言って目をギラつかせ、浩二はアクセルを力強く踏み込んだ。
.