夢の続きで逢えたら

それから五分もしないうちに、

大きな防波堤のある駐車場に着いた。



浩二がみんなの荷物をおろしていく。


最後にギターケースを手に取った浩二が、


「でもあれだよな。今日は詩野ちゃんの気晴らしのために、こうして四人で来たのに、いつもの仕事道具持ってきちゃうんだもんな」


そう言って詩野に渡した。


「だからさっきも言ったでしょ。私はこれがないと落ち着かないんだって」

「まぁいいけど。とりあえず着替えようぜ!」




尾行した時は持ってなかったじゃないか!

と一瞬詩野に言いたくなったが、

それを言うと、浩二と大輔にまでストーカー扱いされてしまうと思い、

喉まで出かかった言葉を素早く飲み込んだ。





車の裏で着替える。


もちろん詩野は別の場所だ。


ズボンをおろそうとした時、

何か目が痛くなるようなものが視界に入った。




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