夢の続きで逢えたら
「そうね、大輔は小学校から知ってるし、単に弟って感じ。浩二くんは…」
「浩二は?」
「あの人面白いよね。なんか個性的というか……変人!?」
「変人か!ハハハ!」
「だってそうじゃない!?私にはあんな友達今までいなかったし」
「詩野は他にも東京に友達いるの?」
「知ってる人なら、何人か福岡から上京した子もいるけど、友達とは言えないわ」
「その子たちはどうして東京に?」
「さぁ、友達じゃないから、詳しくは…」
「バイトは?バイトにはいないの?友達」
「仕事柄、おじさんばっかり」
「そうなんだ。どんな仕事?」
「言わなかった?」
「聞いてないよ」
「力仕事。稼ぐためにね!」
「そっか、偉いね」
「だから、東京に来てできた最初の友達が各務くんなんだ!」
「僕なんかで良かったのかな…」
砂混じりの風が、僕らの隙間を通って、幾度となく高い音を立てる。
「良かったな。各務くんで」
僕は恥ずかしさのあまり、
海で濡れた髪を掻きながら、歌野から目を反らした。
.