その手で溶かして

「どこにいても、誰とでも繋がっていられる便利さはあるけど、逆に考えると……どこにいても、誰とでも繋がっていなければいけない。そういう拘束感が嫌なんだ。人間、一人になりたい時ってあるだろう?」



「確かにそうね。便利さは使い方を間違えると不便になる。紙一重よね。」



「良かった。真雪はわかってくれると思ったよ。拓海なんかに話すと馬鹿にされるから。」



そうね。



きっとウミにはわからない。



ウミはいつだって賑やかな輪の中心にいたい人だから。


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