その手で溶かして

今流行のメイクをし、ジャージすらお洒落に着こなしている女の子は、さっきウミの体を支えていた子。



「悪い。悪い。友達に会っちまってよ。」



「拓海先輩はすぐそうやってフラフラと消えちゃうんだから。子供みたい。」



戯れ合うような会話をする二人を見ていると、ますます胸が苦しくなる。



「というわけで、俺は行くから。観に来てくれてありがとな。」



「あぁ。じゃあまた。」



私は最後までウミと会話をする事はなく、ウミの背中を見送った。



女の子に腕を絡められてるウミの背中を……


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