その手で溶かして


遠藤君の彼女となってから数週間が経つと、私にとって、もっとも重要なテスト期間が近づいていた。



彼女になったからといって、特別な変化があったわけではなく、毎日変わらない日々が過ぎて行くことに私は安堵感を抱いていた。



ただ、一つだけ変化があったといえば、あったことになるだろう。



クラスの中で私達が付き合っているという噂が流れ始めたのだ。



こうして、毎日図書室で密会をしているだの、デートしている所を目撃しただの。



話題にすら出なかった私の名前が、クラスの中で頻繁に語られるようになった。


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