その手で溶かして
でも、常にその“1番”を取り続けている人間も、私と同じだということに気付いたのだ。
私が猛勉強をしている目の前で、呑気に雑誌なんかをペラペラとめくっているこの男こそが、入学当初から常に“1番”を取り続けている人物。
「そんなに見つめられると、集中して雑誌を読めないんだけどな。」
「見つめてなんかいないわ。」
いつも雑誌なんか読んでいないくせに、こうやって私が帰る時間まで時間を潰している。
「なんだ。気のせいか。」
「遠藤君はテスト勉強しているの?」
「帰ってからしてるよ。」
「そう。」