その手で溶かして

やはり、塾には通っていない。



ここで毎日、私と一緒にいるのだから、塾に通う時間がないのはわかっていた。


「俺は短期集中型だから、前日に徹夜してるわけ。テスト勉強を本格的に始めるにはまだ時期が早いんだ。」



「家庭教師なんかをつけているの?」



「まさか。そこまで勉強が好きなわけではないから。」



遠藤君の言葉がすべて皮肉に聞こえてしまう。


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