その手で溶かして
前日だけで、この膨大なテスト範囲を頭の中に詰め込むことができるなんて、彼は頭がいいのだろう。
私は頭がいいわけではない。
これだけ勉強に時間を費やしているのだから、できて当たり前。
遠藤君のように生まれながらの頭の良さは、妬んでしまいたいほど羨ましい。
「真雪も独学だろ?」
「そうよ。」
「じゃあ、明日から一緒に勉強でもしようか?」
「私は毎日ここでしているわ。遠藤君もしたいならどうぞ。」
遠藤君のように、ここまで完璧だと、なんだか妬みを通り越して呆れてしまう。
「刺があるように感じたけど、まぁいいか。じゃあ俺も明日から一緒に勉強するよ。真雪と一緒だと楽しく出来そうだ。」