その手で溶かして

気分転換に窓の外を眺めても、胸の騒つきは治まらない。



あのブランコ……


いつまであそこに置いておくのだろう?



思い出の品であっても、もう誰も使っていないし、使う予定も全くないのに。



ただ、処分できないだけなのだろうか。



あんな風に誰にも使われることのないまま錆びれて行くほうが、可哀想な気がするのは私だけなのかな。



古びた外灯の下にポツンと佇むブランコ。



私の思い出のように錆びれることしか知らない。

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