その手で溶かして

変な夢を見てしまった。



あのブランコの前で、今の姿の私達が、昔した会話を繰り返している。



一つブランコをくれると言ったウミ。



あれから、向かって左側がウミのブランコで、右側が私のブランコだったよな。



そういえば、私はウミに大切なものをあげたのだろうか?



何をあげたのか思い出せない……


ということはあげていないのかもしれないな。



子供の約束なんて、こんなものだろう。



その時は真剣だったとしても、成長と共に忘れて行く。



それが自然なことだ。

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