その手で溶かして

ベッドの中に入ったまま、考え込んでしまった私は突然我に返る。



まずい。



いつも起きる時間より30分も遅い。



慌て飛び起き、手際よく身仕度を済ませた。



ギーー



「おはよう。」



「おはよう。今日はいつもより遅いわね。」



キッチンから顔を覗かせるママに私は早口で答える。


「寝坊しちゃって。」



急がなければと思っていると、急ぐ必要のないことまで急いでしまう私はやっぱり脳が可笑しい。



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