その手で溶かして
最近はよく思い出したくない、昔の記憶を思い出してしまう。
私なんかがこうやって、誰かと時間を共有しているからだろうか……
それとも、昔の知り合いと話しているからか……
どちらにしても、出来るだけ思い出したくはない。
いくら過去を思い出したところで、何かが変わるわけではないのだから。
「真雪。」
いつもの場所で遠藤君と別れると、私の背中に遠藤君の声が届く。
こうして呼び止められたのは2回目。