その手で溶かして
いつものことだけど、疲れてしまう。
きっと、もう少ししたらアレが始まるんだろう。
その前にヘッドホンをして勉強を始めよう。
明日の夕食にはパパがいるといいな。
そんなことを考えながら、私は勉強という名の自分の世界に閉じこもった。
相変わらず、数字と記号の世界に没頭した私はふと顔をあげると、時計の針はもう23時を指していた。
お風呂に入らなきゃな。
両手を天上に突き上げ、伸びをした後、下の様子を伺うためにヘッドホンを外した。
物音一つしないことに安心した私は静かに1階へと降りる。