その手で溶かして
「ただいま。」
「おかえりなさい。」
パパはペットボトルを拾い上げ、私の前に突き出した。
「またやったか。」
「みたいだね。」
ハァ〜とため息を吐きながら、頭を抱えるパパ。
この光景を見て、そんなリアクションをするくらいなら、帰ってきたらいいのに。
ママの機嫌を損ねないように、いつも夕食の時間には帰ってきたらいいのに。
私は横目でパパを睨み付けながら、「お風呂。」とだけ告げてリビングを出た。