その手で溶かして
小学生に上がりたての頃にママが作ってくれたカーテン。
「真雪はどの柄が好き?どうせ作るなら、真雪好みにしようと思って。」
「私はこれがいい。」
「真雪は本当に白が好きね。」
そう言って頭を撫でてくれた優しいママ。
私の大好きな思い出がビリビリに破られたあの日、ママとの思い出も消されてしまったような気がしていた。
白いカーテンの変わりに、我が家に訪れたのはグリーンの既製品。
それは私好みでもなければ、ママの手作りでもなかった。