その手で溶かして
この間、遠藤君が言っていた子とは違っていた。
あの子よりも、化粧が濃くて香水の匂いをぷんぷんとさせている女の唇が私の頭から離れない。
あんなシーンを見るなんて生まれて初めての経験で、何故だか落ち着かなかった。
でも、私も遠藤君と付き合っているということは……
いずれはあんなこともしなければいけないのだろうか。
自分の身に起こりうるかもしれないとは到底思えない光景が私の胸を締め付ける。