その手で溶かして

友達


次の日には、昨日のことが嘘だったかのように心も体も軽く、私はまたいつもの日々を繰り返す。



遠藤君が進路の件で呼び出しを受けた日から3日後、再び担任の先生に呼ばれていた。



だから、私は図書室で1人、ペンをひたすら動かしている。



担任の先生もいい加減諦めたらいいのに。



人の人生に、口を挟んで責任なんてとれるのだろうか。



そうか……


先生としたら、人の人生ではないのか。



自分の出世がかかっている大事な時期。



だから、なんとしてでも遠藤君にはいい大学に進学してほしい。


そうか。そうか。と私は1人で納得していた。



私立高校のこの学校では、自分のクラスの生徒がどれだけいい大学に進学できるかで、先生の立ち位置が変わってくる。



だから、先生達はみんな協力的で熱心に進路指導を行う。


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