その手で溶かして
図書室を出て少し歩いた所でサワは足を止めた。
廊下に出ると、冷たい空気が体を包み込む。
「遠藤君のこと本当に好きなわけ?」
サワは私のほうへと振り向くなり、口を開く。
サワと一定の距離を保った位置で足を止めた私は言葉を選ぶ。
この間のようにサワを傷つけたくはない。
でも、私にはどうしてもサワが何に傷つくのかわからずに、思ったことをそのまま説明するしかないという結論にたどり着く。
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