その手で溶かして

地下鉄を降りて、外に出るとやっぱり肩を窄めてしまうほどの寒さを感じる。



ミルクティーの効果は、すっかりと消えてしまった。



同じ制服を着た子達が


「おはよう」


と挨拶を交わしながら私の横を通り過ぎて行く中、私はただ身を丸めるように学校へと急ぐ。



「真雪、おはよう。」



珍しいことに私の身にも、朝の挨拶の声がかかる。



振り向くと、そこにはクラスメイトのサワが立っていた。

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