その手で溶かして

「真雪ちゃんは拓海と仲いいの?」



再び、私の隣に戻ってきた女。



「家が隣なだけ。」



「そうなんだぁ~いいな。私ね、ずっと拓海のことが好きなの。」



「そうなんだ。」



初対面の人間にこんなことを話せる女を少しだけ警戒しながら、私は女の言葉を待った。



「真雪ちゃんに協力して欲しいなって思って。」



そういう事か……



ウミとの関係のために私に近づき、私の肩を持つような発言をした。



言い方は悪いかもしれないけど、そんなことでもなければ私みたいな人間に近づこうとは思わないだろう。


< 260 / 442 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop